2008年03月28日

『五行歌の事典』 鑑賞交換日記 (その29)

《 鑑賞作品・その29 》
   
  ご飯                  
  味噌汁
  生卵
  手を合わせて頂く
  宿坊の朝

            赤井 登


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 ◇作品の出典

    草壁焔太編 『五行歌の事典』(東京堂出版)

http://www.tokyodoshuppan.com/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=4-490-10579-7

 ◇五行歌の会・公式ホームページ

 http://5gyohka.com/

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この記事へのコメント
食に感謝大事ですからね。

でも、この歌、おもろいです♪
Posted by しるば(またの名は“なお”)しるば(またの名は“なお”) at 2008年03月29日 01:59
しるばさん、いらっしゃい。

確かに、この歌、いいですよね。

 出典によると、作者は遍路の旅先で五行歌を書きためていったといい
ます。この作品も、遍路行脚の最中に泊まった宿坊での様子を詠ったも
のなのでしょうが、上三句の「ご飯/味噌汁/生卵」というのがシンプル
な朝食の様子を物語っていて実にいいですね。

 私も宿坊に泊まったことが何度かありますが、個室に食膳を運んでくれ
るところと、食堂の大広間に行って食べるところとがあります。大広間のほ
うは、たいてい長テーブルがズラリと並んでいて、そこに相対して座して食
べます。

 食卓をみると「ご飯/味噌汁/生卵」が並んでいます。見たまんまをその
まま一句ずつ横並びにさせた、いわゆる《列挙法》の形を採っていますが、
これが、なかなかいいですね。

 初めて読んだ人は「なんて簡単な朝食なんだろう」と驚かれるかもしれま
せんが、次の「手を合わせて頂く/宿坊の朝」で粛然とした気持ちになりま
す。

 質実剛健な宿坊の朝の雰囲気と感謝の心に満ちた作者の心とが上手
にミックスされた、私の好きな歌のひとつでもあります。

※【宿坊】(しゅくぼう): 寺に参詣に来た人たちを泊め
       るために設けられた建物。


 同じ作者の歌に次のようなものがあります。これも、やはり、遍路行脚の
一光景を詠ったものでしょうが、これまた、感謝の気持ちに満ち溢れている
ではありませんか。

  せせらぎを
  手ですくい
  音といっしょに
  飲むしあわせ
  水入れにも詰める
Posted by 玉井たけし at 2008年04月01日 06:59
このようなところに、自分の歌が載っているとは・・・、驚くやら、世の中の不思議な縁を感じたりしています。大分、時間が経ちましたが、お採り上げ頂きまして、ありがとうございます。
Posted by 赤井 登 at 2010年12月06日 14:30
 
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