2008年03月19日

『五行歌の事典』 鑑賞交換日記 (その25)

《 鑑賞作品・その25 》
   
  静かな離島で              
  はなやかな
  声がするのは
  彼岸が近い
  墓場だけ
           
          奥田 勇


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 ◇作品の出典

    草壁焔太編 『五行歌の事典』(東京堂出版)

http://www.tokyodoshuppan.com/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=4-490-10579-7

 ◇五行歌の会・公式ホームページ

 http://5gyohka.com/

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この記事へのコメント
 国土交通省・離島振興課の『ようこそ!離島活性化のホームページへ』に
よると、日本は6,852の島嶼により構成されていて、そこから本州、北海道、
四国、九州、沖縄本島を除いた6,847島が離島であり、そのうち、有人離島
は260島で、それらすべての島が離島振興法による振興対策実施地域に
指定されているという。

 これらの島の主要産業は漁業と農業の第1次産業であるが、昭和30年
代以降の産業構造の変化と経済成長によって、若者の島外流出が相次ぎ、
今では島の過疎化と高齢化が著しく進んでいる。

 前掲の五行歌に移ろう。島のかつての目抜き通りも普段は閑散として静
まり返っているが、彼岸も近いとあって、島の小さな墓地に掃除にやってき
た島民たちの話し声が珍しく「はなやか」に聞こえてくる・・・という光景を詠
ったものであろうが、取りようによっては、その声は、かつて、島が活気を帯
びていた頃の人たちが、彼岸がやってくるというので、三途(さんず)の川を
渡ってはるばる此岸(しがん)にやってきて、「島も寂しくなるいっぽうじゃナ
ァ」などとヒソヒソワイワイ、声ならぬ声で語り合っているという風に取れない
こともない。

 島民の数よりも、お墓の数のほうが多くなる・・などという時代が、やがて、
やってくるのかもしれない。
Posted by 玉井たけし at 2008年03月22日 06:24
 
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