2008年04月23日

『五行歌の事典』 鑑賞交換日記 (その37)

《 鑑賞作品・その37 》
  
  見ちゃうんだよ             
  あの場所を
  あなたがいないの
  知ってるのに
  いつも いつも いつも  

                光富貴子
 

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 ◇作品の出典

    草壁焔太編 『五行歌の事典』(東京堂出版)

http://www.tokyodoshuppan.com/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=4-490-10579-7

 ◇五行歌の会・公式ホームページ

 http://5gyohka.com/

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この記事へのコメント
 この作品、何度読んでも、切なく、やるせなくなる。青春の叙情歌とでも
いうものであろうか。そして、これは、五行歌の鑑賞日記を始めてから気
づいたことであるが、詩情豊かな作品には、なんらかのレトリックが施さ
れていることが多い。

 今回のこの作品も、「見ちゃうんだよ/あの場所を」と切り出すことに
よって、「エッ、何を見ちゃうの?」と読み手に疑惑の念を抱かせておい
て、「あなたがいないの/知ってるのに/いつも いつも いつも」とたた
み掛けることによって、「ああ、そうか、彼氏が以前いた場所を、いつも見
てしまうんだナ」と合点するのである。

 ここで、「あの場所」が、彼の住んでいた家なのか、教室の席なのか、
はたまた、ピッチャーズマウンドなのか、それとも、全然、別の場所なの
かは、作者以外には分からない。いや、その分からないところがミステリ
アスで、またいいのである。

 それでは、この作品、どのようなレトリックが使われているのであろう
か? それを知るために、この韻文を散文に直してみることにしよう。

「①あなたがいないの ②知ってるのに、③あの場所を、④いつも、
⑤見ちゃうんだよ」・・・・・散文(A)

 これだと、私たちが普段使っている会話そのものである。

そして、これを五行歌にすると、その順序が、

 ⑤ → ③ → ① → ② → ④

と倒置されていることが分かる。そこで、この作品には《倒置法》と、
もうひとつ「いつも いつも いつも」の《同語反復》という二つのレトリック
が使われていることが分かるのである。

 そして、これらのレトリックを使用することの効果は、上の散文(A)の
もつ平板さと、前掲の五行歌のリズム感とインパクト性の違いを比較し
てみると一目瞭然であろう。

 ただ、人の五行歌の鑑賞や分析は出来ても、いざ、自分で作ろうとす
ると、思うようにいかないのが五行歌でもある (^_^;)。
Posted by 玉井たけし at 2008年04月26日 09:49
ホント 切ない歌です・・・

でも すごく共感できるな~・・・
Posted by katochankatochan at 2008年04月28日 23:05
「あの場所を」というところが切ないですね。
二人だけの思い出の場所なんでしょうね、きっと。
Posted by 玉井たけし at 2008年04月30日 15:46
 
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    コメント(3)